「溺れた!!!」子どもが溺れていても、大人が気づけなかった核心的な理由とは?その② | ももいくジョブ

過ぎ去った1カ月を、振り返りながら、このブログ原稿を書いている私は、微力ながら、保育者のあなたに、社会の動向もエッセンスに加えながら、子どもの命が護れる術をお届けしています。
先月、立て続けに起こった、著名人の自死。「衝動からの死」について、腑に落ちない、悶々とした感情を、私だけではなく、あなたも抱いているのではないでしょうか?自殺企図に至る脳内についても、機会があれば、お話ししたいなと思っています。
他人から見て、恵まれている人が、自死を選んでしまう面白くもない世の中でも、その事実を認識すらできない子ども達って、本当強いですよね。大人も見習いたいものです。
そんなピュアな子ども達の笑顔を護っているあなたに、「溺れた!!!」小児に多い死亡事故。溺れていても、大人が気づけなかった核心的な理由とは?の第2弾」、「溺れた際の対処法(第一次救命処置)」、「冷水に溺れて時の対処法」そして「プール事故危機管理」をお届けしますね。早速内容に入っていきましょう。

溺れた際の対処法(第一次救命処置)

*意識の確認は、強くゆすったり、顔を叩かないこと! **回復体位:この体位は、自身の体を支えることのできるもの。(出典:こどもの事故と対策 日本小児科学会)
***小児用パッドがある場合、小学校入学前の子どもには小児用パッドを用いる。 ない場合、成人用を使う。体が小さくてパッドが重なってしまう場合、片方のパッドを胸に、もう片方を背中に貼る。(出典:こどもの事故と対策。日本小児科学会)

冷水に溺れた際の対処法

◎呼吸がない場合は、直ちに心肺蘇生を行う(水が冷たければ蘇生のチャンスあり)。 ◎反応があり、呼吸が正常の場合、全身をよく拭いて水気をとってあげる。その後、新しい衣服に着替えさせ、マフラーなどで頸を巻き保温させる。暖かい飲み物を飲ませてもよいでしょう。

プール事故危機管理

私は実際、この事故に遭遇した経験を持っています。娘は当時4歳。この幼稚園に通っていました。
プール事故後に行われた「保護者会説明」では、謝罪、そして事故に至った経緯についての話はありました。しかしながら、亡くなった子どものプール体温帳には、いつも、同じ体温を記載されていたので、溺水してしまった日の体温は、もしかして、正常ではなかったかもしれない…と、あたかも、亡くなった子どもの保護者に、責任があるかのような説明をした園に対して、異常な違和感を覚えたのを記憶しています。 保護者説明会場は、園への避難が飛び交う一方で、園を擁護する保護者もおり、異様な雰囲気の中、当時、救急救命学科で教鞭をとっていた私は、初動(溺れている子どもを発見してからの行動)の説明を、園に求めました。 すると、職員の方から、足を持ち、逆さまにしてから、背中を叩いて水を吐かせるなどした後、直ぐ嘱託医のところに、子どもを抱えながら連れて行ったとの説明がありました。 再度、それに要した時間は?意識がない時、直ちにやるべきことは何だと思うか?AEDを含めた心肺蘇生は行ったのか?と尋ねたところ、シドロモドロ状態となり、参加した保護者が、到底納得できる説明会にはなりませんでした。 この園は、下記にある、危機管理(プール事故)マニュアル内、How toの②以外は行われておらず、加えて、事故後の保護者への対応マニュアルにある、「謝罪」、「説明」そして「納得」全ての言葉に対し、言い訳が表だったためか、誠意を感じることが全くできませんでした。 更に、保護者会後、わざわざ、園長らが私の家まで尋ね、「裁判で証言に応じないようお願いします」と言ってきたのです。この行為は、責任を負わなければならない立場として、決してあってはならないものです。 子どもは静かに溺れ、気づきにくいことはあるが、一早くの救命処置が職員たちで行われていたら、救命の研修がきちんと行われている園だったらと、タラレバを繰り返してしまう自分がいました。
溺れたことによる窒息(呼吸停止)から脳死に至るまで、通常は10分程度。しかし4~5分で低酸素脳症となり、元に戻ることはできない。呼吸トラブル(呼吸停止)から始まる心停止(呼吸原性心停止)は、子どもに多い。 だからこそ、人工呼吸が何より大事であり、それよって体内に入れられた酸素を循環させるため、胸骨圧迫が必要であることを、保育者の卵たちに教える度、当時の先生たちがわかっていたらと、ついつい思ってしまいます。 子どもを預かるということは、その命を預かっているということ。 一瞬の油断が取返しのつかない事態を招いてしまう。 過失であっても、一人のかけがえのない命を亡くしてしまったという事実を、一生消せぬまま生きていかなければならなくなった、当時の若い担任の先生のような辛い経験をしてもらいたくない。 だからこそあなたには、命を護る術を身に着け、自信をもって保育にあたってもらえたらと思っています。 この、いたたまれないプール事故は、私にとって、医療の専門ではない保育者の卵に、「命を護れる保育者」になってもらいたく、「子どもの保健」を教えるきっかけとなりました。

引用図書

1)子どもの事故と応急手当 子どもの健全な成長のために:㈲マスターワークス 2)園の防災・危機管理:脇高志:フルーベル館出版