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- あなたも年々感じていませんか?「困った大変な子」が多くなっていると。それって実は…。 ~急激な発達障害児の増加は、先天要因より出生後の環境要因が大きいから!?その②~
プロローグ

コロナとの闘いが続く中、2度目の新年度がスタートしました。もしかして、3月末で園を辞め、この「ももいくジョブ」のサイト、そしてこのブログに辿り着いた方もいるのではないでしょうか? 北関東のとある私立認可保育園では、保育士18人中17人もが、待遇面や園への不満等を理由に辞めてしまったなんていう記事も、最近あったくらいですから。あり得ますよね。 需要の高い保育業界。でもそこに、微塵の魅力を感じることが難しい世界だってこと、園を辞めたあなたも、園にしがみつき、辞めることが出来ないあなたも、そう感じているのではないでしょうか?
筆者は学生さんに、このようなお話をよくします。自分を活かしてくれる理想の園を探すのではなく、自身が心地よいと感じる妥協点(例:給料はイマイチだけど、家から近い等)を、園に見出しながら探して下さいとね。
人生は、あらゆる面で「妥協」が必要となります。しかしそれは、「耐え忍ぶ」妥協ではなく、「心地よい」そんな妥協を人生に取り入れることで、期待や理想と現実の間(はざま)で、もがき苦しむ事も少なくなります。これは、決して「惰性」を選択しているわけではありません。自信が持てる人生を歩むための処世術です。
この求人サイトを使って、園に折り合い、そして妥協点をつけながら、新たなステージの場を探していって下さい。ついでに、このブログに目を通して頂き嬉しい限りです。 「命を護れる保育者」がシリーズ化され、1年が過ぎました。このブログを通して、なにか1つの得意分野もった保育者を目指して頂き、あなたの理念が入った「園」を創っていくのもいいかもしれません。(ふざけた環境に、ウンザリ嫌気がさしているなら、尚更、上にベクトルを合わせて生きてみてください!)。
発達障害発症の暴露要因
おっと、いけない。では本題に入りますね。先月号で、胎児期・小児期における環境暴露によって、神経回路に異常を来し、発達障害の症状がみられるとお話しましたよね。 今月号は、その環境要因の1つ「生活習慣病胎児発症説:DoHad(ドーハッド説)」をお話させて頂きます。
これは、1986年、英国のディビッド・バーカー教授により提唱され、胎芽、胎児、新生児期における栄養状態が、その後の健康や疾病の素因を決定してしまうという概念です。つまり、胎児期、新生児期の栄養如何(いかん)によって、小さく生まれた子は、成人になってから「高血圧」、「糖尿病」そして「心臓病」などの生活習慣病(肥満も含まれる)のリスクが高くなるというものです。母親(胎児期)そして新生児期の栄養(栄養不足)が、大人になってから、生活習慣病を発症させるなんて、余りにも、荒唐無稽であることから(疾病発現時間にギャップがある等の理由)、日本では全くといって言いほど浸透されなかった説なのですが、21世紀を境に、これを証明するエビデンスが多く示されるようになりました。今では、胎児期・幼少期の栄養が、生活習慣病発症だけではなく、脳神経細胞にも影響を与え、自閉症を含めた発達障害、統合失調症そしてうつ病に至る可能性があることもわかっています。胎児期、小児期に不可欠な栄養が与えられない事で、遺伝子を狂わせ【細胞のアポトーシス(自死)を促す】、そしてその影響は、出生後も変わることはないのです。
「小さく生んで大きく育てる」という考えは、とうの昔に無くなっている実態と、低出生体重児には、このような精神疾患発症を高めやすい事もある。ということをご理解ください。
低出生体重児の要因
では、低出生体重児の要因を以下にまとめてみますね。
1.妊婦の摂取エネルギーの制限(栄養素の制限)
⇒この背景には、「痩せている=美しい」という日本の美の文化と、妊産期における体重増加を指摘するだけの指導が多いからなのでしょう。
2.高齢出産
3.妊婦の喫煙(受動喫煙も含む)
H28年国民健康栄養調査(H18年からH28年間の変移)から作成した、下図を見てください。

生物学的妊娠に適している20代の20%強(赤線)は、BMI(体格指数といい理想値は22)18.5未満の「痩せ」であることがわかります。全年齢平均の「痩せ」は13%(緑線)なので、20代は、明らかに「痩せ」が高くなっています。
妊娠時、痩せていた、または、出産後、赤ちゃんの体重が上手く増えていかなかった場合は、可能性として、赤ちゃんの遺伝子に影響を及ぼし、発達障害の症状を発現させる事も無いとは言えません。
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