「RSウイルス」の急増は政府肝いりの感染対策「新しい生活様式」導入の影響です! このままでは「急性胃腸性」の急増もあり得る? | ももいくジョブ

急増する「デルタ株」

増殖スピードが速いデルタ株蔓延によって、子どもの感染が止まらない災害レベルの中で、皮肉にも9月1日、「防災の日」を迎えました。災害からの高い危機回避能力が「政府」にあれば、今のような混乱に陥ることはなかったかもしれない。 既に、デルタ株は「空気感染」で感染してしまいます。 このカテゴリーに入れてしまうと、治療の全てを、菌を入れない「陰圧室」という場所でしなければならなりません。ですから、政府は公に言えないです。ただ、デルタ株は、タバコの煙のように空中に漂っているんだ、と感覚的にわかって頂きたい。

増える「子どもから子ども」・「子どもから大人」への感染

子どもから子ども、そして子どもから大人へと感染させることでクラスターを発生させてしまう(例:14名の感染者のうち幼児12名、保育士2名を出した埼玉県の保育園)という、第4波(大人から大人、大人から子どもへの感染)までとは異なる感染ルートが明確になった中では、下記図のような、更なる厳密は対策が必要となります。 この図からすると、「手指衛生」は残念ながら、最強な武器にはならないですね。コロナ武器のラスボスは「ワクチン接種」と言えますね。しかし、7月に報告された医学誌(New England journal of medicine)によると、ファイザー、モデルナともに、デルタ株の有効性は77%、アストラゼネカにいたっては68%と、従来株の有効性よりは低いです。けれど、今は感染率の高さを求めている余裕はありません。症状発症率、重症化率、死亡率の大きな効果を求めている中では、やはり「ワクチン接種」はラスボスになり得ます。 だからこそ、「指を鼻の中に入れてしまう」とか、「遊具をヨダレでビジョビショにしてしまう」など、衛生管理のできない子どもたちを受け入れている保育所での主対策は、先生方の「ワクチン接種・マスク着用」と「換気」の2つしかありません(接触感染対策の「消毒」は在りきです)。 感染率が高すぎる新型コロナウイルス感染症は、現在、「感染症法の第2類相当」にあるため、診断した医師が直ぐに治療を開始できるわけではく、必ず保健所を介さなければなりません(感染者把握のため)。保健所が入院先を含め全てをコントロールしているので業務がひっ迫してしまうのです。医師が新型コロナと診断して(早期発見)も早期治療ができない。保健所経由ゆえ治療に遅延が生じ、軽症から重症へと簡単に転じてしまう「人災」が起こっているのが、日本なのです。

子ども同士の接触機会が減った反動で急増した「RSウイルス」

基本的対策として、「マスク着用」、「手指衛生」、「ソーシャルディスタンス」という「新しい生活様式」が日常に入り込んで1年半。昨年は、この対策のおかげで著しく発生を抑えられた「RSウイルス感染症」は、今年、全国で爆発的に感染者を延しました(例:千葉県、熊本県)。この理由として、新型コロナ対策の影響でRSウイルス感染者が少なく、免疫をもっていない幼児の感染が増えたことが考えられます(このウイルスは、母子免疫を通り抜けるタイプなので、ほんと、厄介ですよね)。 昨年、この「命を護れる保育者」のブログ原稿内で書かせて頂いた、「手洗いに慣れていない人にとっての最適な手洗い時間」の検証実験の結果【最適な手洗い時間は30秒でした。けれど、むしろ手洗いに慣れていない者が手を洗う事で、手の脂膜奥に生息している常在菌が増えてしまっていた。その常在菌として、手荒れと食中毒の原因となる黄色ブドウ球菌の増加が推測された】を参考に、コロナ渦により、手洗いが日常となった学生さんを対象に、30秒手洗いに条件(CDCが医療従事者に推奨する手洗い法)を設けて実験してもらいました。 →詳しくは、新型コロナウイルス共存時代到来中での、「正しい手洗い・消毒の条件の提示(その①) ~「普段の手の汚れをばい菌実験」から検証してみました~(第9講 2020年11月号) この結果、手洗いによって、72%をも菌が増加してしまいました。手洗い前の常在菌のうち、半数以上(57%)は黄色ブドウ球菌でした。これは、皮膚に潤いを与え、雑菌を抑える働きをもつ、善玉常在菌(表皮ブドウ球菌)が少なくなっている可能性が伺えます。 コロナ渦により、手洗い・消毒の頻度が増えたことにより、皮膚が弱アルカリ性化してしまったのか、悪さをする黄色ブドウ球菌の増殖が認められてしまいました。加えて、手洗いにより、むしろ、この菌が増えてしまうこと、今年の実験でも確認されました。

まとめ

手洗い条件が、医療従事者向けの方法ということもあり、やはり、手洗いに慣れてきたとはいえ、手指衛生が職業にない者たちにとっては、難しい条件であったと思います。 30秒手洗いで 、今回の実験結果より効果を認めた条件は、来月号でお話ししたいと思います。 熊本県では、ロタウイルス由来ではない感染症胃腸炎が増えています。豪雨の影響もないとは言えませんが、黄色ブドウ球菌は、感染症胃腸炎の原因にもなりえます。 手洗いによって、むしろ、この菌が増えてしまうという傾向は、今回実験を行った本校学生だけのものではありません。日本全国民の「手」の現状であるといっても過言ではないのです。これこそが、最悪を想定し事前に対策を打つ「危機管理」の考え方です。 個々の家庭単位で、手洗いをしたこの手で調理をし、食事を提供してしまったら……、感染症胃腸炎は増えてしまいます。 一方の対策を徹底すると、そこをすり抜けるように、次の病原菌がやってくる。感染症との闘いは「イタチごっこ」である所以はここにあるのです。 手荒れがないあなたの手も、悪玉常在菌が増えてしまっている可能性があるかも。手の環境を弱アルカリに傾かせないよう保湿は欠かせませんね。

(文責:小田原短期大学 准教授 医学博士 三浦由美)

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