先月24日から、65歳以上の高齢者を対象に、ようやく承認されたモデルナ社ワクチンによる大規模接種(東京・大阪)が始まりましたね。また、各自治体によっては、余ったワクチン(ファイザー社)を、教員(保育士)や看護学生に回す試みもみられるようになりました。更に政府は、65歳未満の一般の方々に接種を勧めるべく、企業内で行える方向で案を練っています。
ワクチン接種先進国を是が非でも目指したい日本。現時点、打ち手として認められている医師、看護師、歯科医師の他、今後、それを臨床検査技師や救急救命士まで拡大してくとのプランもあるほどです。あらゆる策を講じ、接種先進国に登り詰め、安全・安心なジャパンを世界にアピールしたいのでしょうね。
ワクチン接種のこのご時世、「保健学や公衆衛生学」を担当している筆者には、よく「ワクチンを打つべきなのか?任意だから迷っている…」との質問がよくきます。介護施設で働く卒業生の保育士さんは、この瞬間も悩んでいると思います。
「新型コロナ感染症成立のための3要因」つまり、
① 感染源(病原微生物:新型コロナウイルス)
② 感染経路(飛沫感染、エアロゾル感染、接触感染)
→変異株イギリス株とインド株のハイブリットウイルスが、5月29日ベトナムで確認されました。これは、空気感染レベルの感染力があるとの報告があり、今後、新たな感染経路として、空気感染も加わってしまう可能性も否定できません。しかしながら、WHOがこれを(混合変異ウイルス)を否定(6月4日)、インド株から派生したものであるとの見解を示したので、一先ず「空気感染」経路はなくなりました。
③ 宿主(病原体に対する感受性)
これら3要因が全て揃わないと、コロナに感染することはないのです。だからこそ、「3つ対して抜かりなく策を遂行する」ことこそが、コロナを征服させることができるのです。 でも、そもそも、完璧でないヒトが「抜かりなく」することなんて出来るのでようか?出来なかったから、1年以上も、コロナウイルスに負け続けている訳だし・・・。
しかし、ワクチン接種は、宿主の抵抗力を高める手段であるので、③の対策になる。だから、
国民の健康を衛【まもる】ための、公衆衛生学的見地から申すと、ワクチン接種を推奨する立場にあります。そして、これこそが、コロナとの闘いを変えるゲームチャンジャーになり得るのです。